症例集

【case017】
症例 脳震盪(脳しんとう)後の滑車神経麻痺による麻痺性斜視(複視・視覚異常)

主訴 脳しんとう後(脳震盪)の滑車神経麻痺による麻痺性斜視(複視・視覚異常)


20代 兵庫県神戸市在住 男性 

主訴の状況

1ヶ月ほど前に、サッカーの練習中に脳しんとうを起こす。
ジャンプをした後に右側の後頭部から地面に落ち、直後は意識を失ってしまった。
本人も直後の記憶は全くない。

その後から左から下の範囲のみ、目を動かした時に物が二重に見えるようになる。(いわゆる複視の状態)

私から見ると、左等を向いた時に右目が左を向き切っていませんでした。

分かりにくいかもしれませんので図で説明します。


まずは複視の起きる、目を動かした範囲です。
目を矢印と矢印の間の赤い範囲に動かした時に複視が起きます。



次に私から見ると、矢印の方向を向いてもらった時の目の状態です。



医師からは滑車神経麻痺による麻痺性斜視と診断され、治療法はないので、目薬をさしながら経過観察という事を言われ、不安になり当院へ来院。


一般的にこの滑車神経麻痺は、この様に後天的に起きる場合外傷、もしくは血管障害やウイルス感染によって起きる事があるが、手術以外の特別な治療法がなく自然治癒を待ち経過観察で過ごす事が大半です。
また個人差はありますが、早くても数カ月、最悪一生症状が残る場合があるそうです。

東洋医学的な原因

足陽明胃経の経気不利

治療内容
初診から五診目まで背中の神道、右胃兪、お腹の右滑肉門というツボに置鍼。

【二診目】
初診の後特に変化は無し。
二診目の後、私が目の動きを見ると、右目の動く範囲が少し増える。
しかし患者さんの見え方(複視)は不変。

【三診目】
治療直後、また右目の動く範囲が増える。

【四診目】
三診目の次の朝から症状が改善し、複視が起こらなくなる。
目の動きも正常に戻る。

【五診目】
目の動き、見え方共に全く問題ない。

解説

頭を強打してからの突然のこの症状。
眼帯をして右目を見えないようにしないと、物が二重に見えて何もできない非常に辛い状態でした。

車の運転、仕事、電車等々この様な状態では危険がとても多すぎます。
早期の完治がみられて私も非常に嬉しかったです。

珍しく滑車神経麻痺だの麻痺性斜視だの難しい事を書きましたが、東洋医学的にはこんな聞いた事ない難しい神経なんてあまり関係ありません。

問診情報、ツボなどの総合的な診察の結果、この方の滑車神経麻痺による麻痺性斜視の原因は、
頭を強打した事により、胃の経絡(気の通り道)がダメージを受け、急激に右側の胃の経絡のめぐりが悪くなってしまった事でした。

ん?頭や目なのに胃の経絡?と思われるかもしれませんが…



ちゃんと通っていますね。

しかもこの方の症状と同じ、目の左~下にかけてを通っています。

胃の経絡のめぐりが悪くなったため、左~下への目の動きが悪くなってしまったのです。

治療は背中の神道、右胃兪、お腹の右滑肉門のツボで胃の経絡の流れを良くしました。

目なのに背中とお腹とはまた面白いですね。

この滑肉門というツボは、胃の気を通す門、舌の動きを滑らかにするという事から名前が付けられています。

胃の気を通し、目の動きを滑らかにも出来るのです!!

特に滑車神経麻痺と同じ滑が使われています。

なにか偶然とは思えませんね。

日常生活でとても不便な思いをされていたので、治療法がなく時間がかかる症状を、非常に迅速に完治でき本当に良かったです。

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